商標を更新しなかった場合のリスクを教えて下さい。
商標を更新しなかった場合のリスクを教えて下さい。
商標権は登録から10年間が存続期間となっております。
また、商標権は10年単位の更新制となっており更新回数には制限がありませんので、10年ごとの更新の手続きを忘れない限り、一度、商標登録をすると半永久的に同一の商標を使用し続けることができます。
さて、万が一、商標権の更新登録を忘れてしまった場合についてですが、原則としては存続期間の満了6ヶ月後を経過しても更新登録の申請をなされなかった場合、商標権は存続期間の満了の日に遡って消滅します。
商標権が消滅した場合、他人が全く同じ商標又はそれに類似する商標を登録することが可能になりますから、そういった商標が他人によって登録される可能性が出てきます。
そして、仮にそういった商標が登録された場合には、その他人にその商標を排他的に使用する権利や、その他人以外の者がその商標を使用すること、類似の商標の使用を禁止する権利などが発生しますので、今まで使用していた商標(店名や商品名など)を使用することが不可能になります。まず、このようなリスクが発生いたします。
その結果、当然のことながら今まで使用していた看板やパンフレット、ホームページ等で使用していた商標は、変更しなければなりません。このためのコストが発生します。
もちろん、新しい商標を登録する場合には、新規の商標登録の費用がかかります。
そして、最大の損失と考えられることですが、10年にもわたる長期間にわたり使用してきた商標が使用できなくなり、店名や商品名を変更した場合には、いままで築き上げてきたブランド力や知名度を一気に失うことになります。
このことは、例えば、商標権を失ったものが会社であったと仮定した場合、会社の存続が危ぶまれる状態に陥る可能性が十分にあります。
このように考えますと、商標権の更新登録をしなかった場合には、非常に重大なリスクが発生することが明らかになります。
例え他人が同じ商標を登録しなかったとしても、他人がその商標を自由に使えるため、自社が築いた信用に誰もがただ乗りできることになり、いずれは商標に化体した信用がなくなります。
商標に化体した信用がなくなると、今まで商標に化体した信用、つまりブランド力で販売していたものが一切販売できなくなります。
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